前回までのあらすじ
管理費赤字の改善策として、植栽管理費の見直しに着手。
管理会社の見積もりに疑問を抱き、近隣の植木業者2社に相見積もりを依頼。
調査の結果、業者間に親子関係が判明するも、見積内容に不正は見られず。
3社の比較により、費用削減の見通しが立ち、赤字解消への道筋が見えてきた。
こちらの奮闘記は続きモノです。前回が気になる方はこちらをクリックしてご覧ください。

管理会社と理事会の関係を理解する|マンション管理の基本構造
管理会社や理事会についてご存知ない方は、こちらの記事をご覧ください。
管理会社と理事会の関係性がスッと理解でき、今回の内容が分かりやすくなります。
ぜひ、クリックしてご覧ください。

住民の無関心を打破する広報戦略|理事会だより発行の狙い
赤字に陥った原因は、『住民の無関心による管理会社への丸投げ』だと思います。
では、なぜ無関心なのか?
それは、『マンション管理は分からないし、管理会社に任せておけば安心』と思っているからでしょう。

赤字脱却して数年後。大規模修繕工事の実施を『管理会社に任せる』『住民主体で行う』でアンケート取ったとき、入居して3カ月目の1戸だけが『管理会社に任せる』を選んでたな。やっぱ、そういうことやろ?
そして、受動的に入るマンションの情報は、管理会社代筆の『理事会議事録』『総会資料』だけです。
慎ましやかに書かれた議事録を鵜呑みにし、何のチェックもしないまま日々は過ぎていき、気づいたときには、「万策尽きました。もう値上げしか道はありません。」と赤字です。



確かに。能動的に取りにいかんと、情報は入ってけーへんよな。
キャラクター演出で親近感UP|理事会だよりの構成と工夫
管理会社代筆の『議事録』『総会資料』で関心を持てなかった住民が、突然、関心を持つとは思えません。
実際に、前期の決算は過去の黒字を食いつぶし赤字に陥り、今期は赤字拡大の予算であると総会資料で周知されていますが、無関心のままでした。



もしかしたら、「どうにかせなアカン」と思ってる人がおったかもしれんけど、「なんで自分一人が苦労してまで?」ってなるんかもな。
だからこそ、住民発行による『理事会だより』で、危機感の共有が重要だと思いました。



ちなみに、理事会だよりには、『小遣いじじい』というキャラクターを設定して、ポップにした。モデルは、当時サボりまくってた管理人。1日立ち合い調査した時、自分の小遣いの心配しかしてなくて、いじり甲斐があった。



出てきたときは必ず、「なに~?…〇△※◇▲…?!わしの小遣い、守ってくれよ!」って、ごにゃごにゃゴネさせてる。
1日立ち合い調査をしたときの様子は、こちらの記事で紹介しています。
自由奔放な管理人の勤務実態に興味のある方は、ぜひご覧ください。


そして、『理事会だより』をきっかけに「どうにかしたい」と考えてる人が協力してくれればラッキーです。



管理会社を介入させたらアカンで。あいつら、理事会でアンケート作ってるのを察知して、「こちらで配付しましょうか?データを送ってください」とか、しおらしいこと言ってきたかと思ったら、「この書き方では、配付できかねます。このように修正してください。」とか言ってきよる。



アンタさー。分かりやすく言うと『お手伝いさん』やねん。雇い主が食材は庶民の味方『ライフで買って』って言ってんのに、『いえ。ライフでは買いかねます。紀ノ国屋にして下さい。』って言ってるよーなもんやで?なめんなよ。
住民の声を理事会運営に反映|アンケート発行の目的と効果
マンション管理は、『管理組合員の意見の総意のもと行う』のが基本だと考えています。
そのため、理事会と管理組合員の意見が乖離しないようにする手立てが、『アンケート』でした。



公平公正な時代やからな。みんなの意見を聞きながら進めるのが、遠回りに見えて、近道な気がする。
『理事会だより』『アンケート』の作成は、他の理事の協力を仰ぐため、両方とも自分で行いました。



相手の負担は極力減らして、「ここまでやってくれた」と思わせて、あとは、「OK」という状態だけやと、断りにくいやん?
作成した内容が気になる方は、こちらをクリックしてご覧ください。


回答率を上げるアンケート設計術|提出率UPの工夫も紹介
アンケートは、回答の負担を減らすことで回答率をあげようと考えました。
- 考えられる選択肢は、あらかじめ全て提示し、〇を付けてもらう
- 選択肢の1つには必ず『その他』を用意し、『その他』選択者が、具体策を書き込める記入欄も用意
- 締切期限を配付日から2週間後とした
提出率をあげるために、配付時に各戸用のクリアファイルを用意し『アンケートの提出は、このクリアファイルに挟んで、〇〇〇号室のポストへ入れてください』としました。



締切期限なかったら、「いつ出しても良い」って判断で、そのうち忘れるやろ?あと、なんとなく『クリアファイル』は返却せなアカン気するやろ?



「返却するときにアンケート挟めへんかったら、なんとなく返却しにくいんちゃうか?」と思って、そうしてん。でも、『返却せんで平気な人』『アンケートを挟まんでも平気な人』は少数派ながらもおる。
理想の状況が整った|理事会広報と成果の積み重ねによる信頼獲得術
『理事会だより』『アンケート』を作成し、植栽管理の相見積もりによる『見積書』も手に入れました。
小さな成果を積み重ねる戦略|信頼獲得の心理的アプローチ
まずは、『理事会だより』『アンケート』の発行を目指して動きます。



発行できたら、1つの実績になるやろ。あと、『植栽の見積書』でも費用削減の見通しが立ってるから、2つ目の実績も確保できてる。こうやって、ちっちゃい実績で、数稼ぐねん。



ちっちゃい実績でも「この人、また一人で必死にやってるやん。」って思ってくれそーやん?それを積み重ねたら、いつか「応援せな。協力せな。」って、なりそーやろ?
すべて段取りしたうえでの提案ですから、他の理事の仕事は、『配付OK・NGの判断だけ』です。



理事会メンバーで当事者やし、『判断もしたくない』とは言えんよな。
理事会メンバーとの接触|LINE活用による信頼形成と情報共有
満を持して、会計担当理事へラインします。
「作成した『理事会だより』『アンケート』の原案をポストへ投函しましたので、確認していただけませんか?問題があれば遠慮なく仰ってください。なお、理事長にも、同様の依頼をしています。」



会計担当理事からは、「拝見させていただきます」と数時間後には、返事あったな。最終回答じゃなくても、リアクションがあるのは進めやすくて助かる♪
会計担当理事には、強引にライン交換を迫った時、マンションの状況について簡単に説明していました。
強引にライン交換してもらった時の様子は、ごちらで紹介しています。
ご存知ない方は、良ければご覧ください。


しかし、理事長とは、理事会メンバーになってから、一度もお会いしたことがありません。
ファーストコンタクトは、『理事会だより』『アンケート』の原案に、手紙を添えてポストへ入れることにしました。
突然の投函は、ただでさえ驚くだろうと思います。
なのに、お宅訪問までするつもりでいます。
せめてものお詫びに、『突撃!隣のお宅訪問』は、手紙でほのめかせておきました。



ヨネスケさん並みに、グイグイ行っちゃうよ!
理事長への突撃訪問|理事会広報承認を得るための交渉術と実録
「突然のお手紙を失礼します。実は、マンションが赤字で…(途中略)…。詳しくは、1週間後の〇時頃、訪問して説明します。予定がありましたら、遠慮なく不在にしてください。また改めます。お時間を頂戴しますが、それまでにご一読ください。よろしくお願いします。」



理事長、どんな人やろう。隣に住んでるけど、年に数回、挨拶する程度やから。さっぱり分からんなー。



それは、向こうも思ってる。今は、『突撃!隣のお宅訪問』を嫌がってる可能性すらある。
2~3日経って、「そろそろ理事長、読んでくれてるかな?」と思っていたところ、『ピンポーン』とチャイムが。
インターホンを見ると、画像が映っていません。
1階のオートロック前からの訪問であれば画像が映りますから、これは玄関のチャイムを鳴らしています。



ヨネスケもびっくり!『突撃返し!隣のお宅訪問』やんか!



ヨネスケさん並みに、グイグイ来ちゃってるよ!
「ごましおさん、こんなに色々とありがとうございます!もちろん配付してください!出来ることがあったら、何でもしますから言ってくださいね!家には、いつ来てもらっても良いんで!」
開口一番、熱いお礼を理事長から言っていただけて、ホッとした瞬間、回答を記入した原案アンケートを手渡されました。



え?理事長って誰やったっけ?
赤字脱却の勝算なしに動くと嫌がられるだろうと、まずは協力してもらえる環境作りを目指していました。
そのため、今回の理事長のリアクションは『大成功』と言わなければいけないのですが…。



「いやいやいや。こっちは副理事長よ?」って思ってまうよな。人間、できてないわ。
そんなことを言って、逃げられると困りますから、ヘラヘラしながらアンケートを受け取りました。
会計担当理事の反応|理事間の合意形成と協力体制の構築プロセス
ひとまず、理事長の承認を得ました。
あとは会計担当理事の回答待ちですが、ちょっと急ぐのでラインします。
「こんばんは。理事長から配付・理事会のグループライン作成について、OKを頂きました♪会計担当理事は、どうでしょうか?」



あらあらあら。こんなキレイな同調圧力も珍しい。
「色々ありがとうございました!両方ともOKです!手伝えることがあれば、仰ってください。よろしくお願いします!」



「手伝えることがあれば…」。そら、そうか。そんな気してた。でも、『賛成=大成功』やからな。よし。これで良かったんや。



「満場一致でOKなんやから、文句言うな。責任も分散できたやんか」って、自分に言い聞かしてない?
今後の展望|アンケート結果を活かした理事会運営の次なる一手
こうして『理事会だより』と『アンケート』を配付することができました。
さて、アンケートは返ってくるのでしょうか?
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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